株式会社ライモック

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仕事のできる人と残業時間

 昔は「残業が多い人」=「仕事のできる人」と考えることがありました。すなわち、「仕事できる」=「仕事が振られる」ので、「仕事が増える」=「残業が増える」ため、「残業が多い」=「仕事ができる」に繋がっていました。このような組織では、仕事が早く終わっても残業せずに帰ると「仕事ができない人」と思われるのではないかとの不安で、早く帰らずに仕事を作って残業を行うようになります。忙しい時には当然残業を行い、早く帰れる時にも残業を行うとどうしても残業が増えます。

 今は働き方改革のために昔と少し異なっています。管理職は部下の残業を減らすために、「残業の多い人」には仕事を与えにくくなっています。そうなると、「残業の少ない人」=「仕事のできる人」になります。すなわち、「残業が少ない」=「仕事が増える」ので、「仕事を要領良く、早く終わらせる」=「仕事のスキルを上げる」となり、仕事を多くこなすために仕事の経験値も増え、さらに業務スキルが向上して、「仕事ができる人」になっていきます。「残業の多い人」は仕事量を減らしても残業が減らず、結果的に評価が下がる時代になっています。

 では、なぜ昔と今とで異なってきているのか?働き方改革の成果か?実際は生活スタイルが変化していると思います。すなわち、昭和の時代は、男性が外で働き、女性が家で家事・子育てを行う時代でした。男性は酒を飲んでも仕事といい、女性は働いても家事・子育ての責務から逃れられない。しかし、平成・令和の時代は、家事・子育てとも男性と女性がシェアーする時代です。結婚する時に家事の分担を約束し、子育ても同様に役割分担が決められます。そうなると、男性は残業を行うことがしづらくなり、定時で帰る努力をします。また、女性も主戦力であり、男性・女性に仕事の違いは無くなっています。働き方改革はその環境整備に一役立っているのではと思います。

 仕事中にうとうとしている部下、彼は奥さんと順番で赤ちゃんの夜泣きの子守のためにほぼ寝ずに一晩起きています。昭和の人間には理解し難い光景ですが、管理職はこれらを受け止める必要があります。
 人事考課の時に「彼は残業が多く、仕事を頑張っていたので、良い評価を与えよう」の時代ではなく、「多くの仕事を、残業を行わずにこなしたので、良い評価を与えよう」の時代に変わってます。
 時代に取り残された管理職にならないよう令和の時代の考え方に変化させる必要があります。